日本エコハウス大賞2019

代々賞協賛企業賞

ツナガリノイエ

暮匠

断熱等級7(0.23W/㎡K)

富山県は曇天率が高く、太陽光発電のフル活用が難しい。そのため、いかに少ないエネルギーで室内環境を維持するかが要になる。本計画では、断熱等級7の高断熱化を図った。計画地はほぼ4方を囲まれた旗竿地で、プライバシー確保が難しかったため南面からの日射取得は断念。天井の付加断熱と壁の充填断熱として「パーフェクトバリア」(エンデバーハウス)を採用し、断熱性能を上げて冬の暖房効率を高めた。西面の窓は小さくし、ハニカムスクリーンで日射遮蔽するなど、外気に影響されにくい室内環境を整えている。プランニングの時点で直下率や構造の説明をし、耐震や構造計算の重要性への理解も促した。

DATA

設計 アーキテクトオフィス kurasyou
施工 暮匠
所在地 富山県(5地域)
家族構成 夫婦+子ども2人
敷地面積 325.89㎡(98.58坪)
延床面積 127.51㎡(38.57坪)
竣工年月 2024年2月

省エネルギー性

断熱性能(UA値) 等級7(0.23W/㎡K)
日射取得(ηA値) 冷房期0.8 暖房期0.6
気密性能(C値) 0.2㎠/㎡
屋根・天井 「パーフェクトバリア」(エンデバーハウス)13K120㎜+現場発泡ウレタンフォーム「ソフラン-R」(積水ソフランウイズ)180㎜
屋根・天井 「パーフェクトバリア」(エンデバーハウス)13K120㎜+現場発泡ウレタンフォーム「ソフラン-R」(積水ソフランウイズ)180㎜
外壁 パーフェクトバリア」(エンデバーハウス)13K120㎜
+押出法ポリスチレンフォーム(ミラフォームλ・55㎜)
床・基礎 基礎外立上り:「スタイロフォームAT」100㎜
「TW」(LIXIL)
暖房設備 リビング暖房強化型エアコン4.0kW
冷房設備 リビング暖房強化型エアコン4.0kW
給湯設備 エコキュート
換気設備 全熱交換型第1種換気「sumika」(マーベックス)
創エネ設備 太陽光発電6.12kW(長州産業)
耐震性能 等級3(許容応力度計算)積雪1m
その他 耐積雪等級2、耐風等級2、劣化対策等級3、維持管理対策等級3、防蟻対策
  • 無機質になりがちなガルバリウムの外壁に対して軒裏に張られた杉羽目板が優しさを演出している。たった一本の植樹ではあるが、オリーブの木が外観に優しさを与えてくれている。

  • シンボルツリーのオリーブの木が外観に優しさを与えてくれている。

  • キッチンからリビングダイニングが見渡せるようにキッチンを配置。ペニンシュラ型にしたことでコミュニケーションを取りやすくした。

  • 内装仕上げは天井・壁共珪藻土で仕上げとしている。自然素材特有のやさしい室内が広がっている。

審査員講評

まず許容応力度計算をしっかりと行っている点を評価しました。この作品が建つ富山県砺波市は、積雪荷重がある多雪区域です。その条件で1mの積雪を見込んだうえで耐震等級3を取得するのは、かなり難易度が高いことです。これをしっかりとクリアしながら断熱等級7の家を設計しているチャレンジ精神に好感をもちました。プランの段階から時間をかけて練らないとできないことでしょう。これからの作品づくりにも期待しています。