日本エコハウス大賞2025

日本エコハウス大賞2019

新築部門入賞

ノミネート
No.3

塩谷の家

POTOS DESIGN OFFICE

断熱等級7(0.26W/㎡K)

計画地は田畑が広がる緑豊かな景観に恵まれた閑静な地域で、南西には1棟の民家が建つ。建物は深い軒をもつ切妻屋根とし、屋根に守られた外部空間に木材を多用、周囲の自然環境に穏やかに溶け込む外観を目指した。埼玉県本庄市は、夏は高温多湿、冬は赤城山から吹き下ろす冷たい風が特徴であり、寒暖差が大きい。この厳しい条件に対応するため、本計画では断熱等級7を確保し、温熱環境の安定化と冷暖房負荷の削減を実現した。さらにLCCM住宅として高効率な設備機器を導入し、自然素材や国産材を活用。建築から廃棄に至るまでCO2排出量を抑制し、脱炭素社会の実現に貢献する住まいづくりを提案している。

DATA

設計・施工 POTOS DESIGN OFFICE
所在地 埼玉県本庄市
家族構成 夫婦+子ども2人
敷地面積 500㎡(150.94坪)
延床面積 124.34㎡(37.53坪)/1階124.34㎡(37.53坪)
竣工年月 2024年9月

省エネルギー性

断熱性能(UA値) 断熱等級7(0.26W/㎡K)
日射取得(ηA値) 暖房期0.7 冷房期0.9
気密性能(C値) 0.2㎠/㎡
屋根・天井 屋根:セルロースファイバー55K300㎜
外壁 セルロースファイバー55K105㎜+HGW16K105㎜
(一部ネオマフォーム30㎜)
床・基礎 基礎:パフォームガード外50㎜+内50㎜
木製サッシ:ペアガラス 樹脂サッシ:トリプルガラス
暖房設備 エアコン
冷房設備 エアコン
給湯設備 エコキュート(JIS効率4.1)
換気設備 第1種換気「sumikaVS90」(マーベックス)
創エネ設備 太陽光発電9.6kW+蓄電池13.5kWh
耐震性能 耐震等級3(許容応力度計算)+制振ダンパー
その他 長期優良住宅 LCCM住宅
  • 豊かな自然の中に佇む木製サッシと板張りの外壁が印象的な住まい。深く薄い軒と木の風合いが景色に溶け込む。

  • 太陽光パネル maxeon 9.6kW。

  • ウッドデッキがリビングと庭をゆるやかに繋ぐ。

  • リビングから望む里山の風景 なだらかに続く稜線を取り込む。

  • リビングから望むキッチンダイニング。

審査員講評

今回ノミネートされた一番の理由は、高性能な断熱仕様(UA値0.26W/㎡K)を確保しながら快適性を追求するために熱橋関係など隅々まで配慮しているところでした。たとえば、付加断熱に『KMブラケット』を用いることで表面温度を保ち、冬でも快適な室内環境を実現しています。さらに太陽光発電9.6kW+蓄電池13.5kWの搭載で、一般的な住宅で使われる程度の電気量は十分に確保されています。省エネと将来のEV対応にも備えた先進性にも注目しました。