日本エコハウス大賞2025

日本エコハウス大賞2019

全部門グランプリ

ノミネート
No.9

Kizuki Terracehouse 桜台

小泉木材+Ris Architects

断熱等級7(全棟0.20 W/㎡K 各住戸0.20W/㎡K)

横浜らしい丘陵地の高台という立地を活かし、南外壁面には大開口の高性能サッシを設置。日射を取り込むことで、真冬でも無暖房で平均室温が20°Cを超える快適な室内環境を実現している。屋根には7.4kWの太陽光発電を搭載。光熱費が抑えられること、その恩恵が子どもたちの学びや体験の時間へと変わっていくことは、「未来へ手渡す豊かさの再分配」だと考えている。土地取得と建築投資は、ホールディングスが担い、設計・施工・募集まではグループ内で行う体制を構築。建設コスト高の一方で、家賃は周辺相場に合わせることができた。これは、高性能住宅に手が届く暮らしの選択肢の提供。これまでにない社会的試みだ。

DATA

設計 小泉木材-Ris Architects(Kizuki)
施工 小泉木材
所在地 神奈川県横浜市
家族構成 子育て世帯(夫婦+子ども1人または2人)
敷地面積 203.01㎡(61.41坪)
延床面積 158.00㎡(47.79坪)/1階90.66㎡(27.42坪)・2階67.34㎡(20.37坪)
竣工年月 2024年12月

省エネルギー性

断熱性能(UA値) 断熱等級7(全棟0.20 W/㎡K 各住戸0.20W/㎡K)
日射取得(ηA値) 暖房期1.3  冷房期0.9
気密性能(C値) 0.2(0.17)㎠/㎡
屋根・天井 大屋根:ネオマフォーム90㎜+セルロースファイバー150㎜
下屋:セルロースファイバー300㎜(デコス)
外壁 充填:セルロースファイバー105㎜(デコス)
付加:ネオマフォーム90㎜(南面)/45㎜(南面以外)
床・基礎 床:大引間充填ネオマフォーム90㎜
基礎:内付加:XPS3bA25㎜
南面: 「smartwin」(佐藤の窓) 他面:UNILUX
玄関ドア:超断熱ドア(ユダ木工)
暖房設備 暖房冷房兼用(1台):壁掛けエアコン4.0kW
「CS-404DJR2」(Panasonic)
冷房設備
給湯設備 おひさまエコキュート370ℓ「HE-Y37LQV」(Panasonic)
換気設備 ダクトレス全熱交換型「エアセーブ」(キムラ)
創エネ設備 「エコテクノルーフ」7.4kW(3.7kW×2住戸)
耐震性能 耐震等級3(許容応力度計算)
その他 耐風等級2/劣化対策等級3/維持管理対策等級3
一次エネルギー消費量等級6
  • 横浜らしい丘陵地の高台という立地を活かし、南外壁面には大開口の高性能サッシを設置。豊富な日射を取り込むことで、真冬でも無暖房で平均室温が20度を超える快適な室内環境を実現している。視線を遮る目的もある緑地帯は、季節毎に咲く花や実る果物を楽しめる存在でもあり、入居者と近隣住民が視覚的に共有できる豊かな風景をつくり出している。

  • LDKには、子育て世帯が抱える雑然とした日常を包み込む「余白」のある壁面。

  • 多目的スペースに造作棚とロフト収納を設けた。

  • 子育て世帯特有のあふれる荷物を受け止める、階段下収納。また、熱橋を防ぐために上げた玄関土間は、床下の保守点検を可能としている。

審査員講評

今建てられている高性能賃貸住宅なかで、トップクラスの住宅性能です。延床面積に対する建築費を見ると費用対効果が非常に高く、UA値0.2 W/㎡K、C値0.2㎠/㎡、耐震等級3といった、賃貸とは思えない高水準の性能が印象的でした。さらに、賃貸住宅に関わらずダクトレスの全熱交換機を採用、太陽光7.4kWなど設備面も充実。不動産仲介を通さず自社で運用されている点にも驚きました。賃貸住宅の新たな可能性を示す素晴らしい実例です。