断熱等級6（0.27W／㎡K）
設計のポイントは、「真冬の氷点下の朝に無暖房で15～18 ℃を実現する」と「夏期は住まい手がエアコンの設定温度によって絶対湿度を操作できる」の2点。付加断熱を施し、深夜0時から翌朝までの保温に注力した。冷房期にはエアコン設定温度26℃で絶対湿度11g／kg台になるような空調計画をした。施主から「カーテンは利用したくない」という要望があったため、日射遮蔽は望めなかった。そこで、南北に長い建物とし、日射の影響を受けにくい壁面を増やした。暖房期の対策として少ない窓から日射を得やすい2階LDKとした。夏は、冷房吹出口を2階LDKに設置したため、日射の影響に左右されずに快適に過ごせる。
| 設計・施工 | Raphael設計 |
|---|---|
| 所在地 | 栃木県河内郡上三川町（5地域） |
| 家族構成 | 夫婦 |
| 敷地面積 | 529.84㎡（160.27坪） |
| 延床面積 | 128.34㎡（38.82坪） |
| 竣工年月 | 2024年4月 |
| 断熱性能（UA値） | 等級6（0.27W／㎡K） |
|---|---|
| 日射取得（ηＡ値） | 冷房期1.0 暖房期0.8 |
| 気密性能（C値） | 0.2㎠／㎡ |
| 屋根・天井 | 屋根：吹込みグラスウール22K 300㎜ |
| 外壁 | 高性能グラスウール16K105㎜＋105㎜ |
| 床・基礎 | 基礎：「サーマックス」（イノアック）80㎜ |
| 窓 | 「K-window」（栗原） |
| 暖房設備 | 業務用壁掛けエアコン「RPK-GP40RGHJ3」（日立） |
| 冷房設備 | 業務用壁掛けエアコン「RPK-GP40RGHJ3」（日立） |
| 給湯設備 | おひさまエコキュート「EQ37XFPV」（ダイキン工業） |
| 換気設備 | 全熱交換型第1種換気「AVH-95」（ケイ・マック） |
| 創エネ設備 | 「エコテクノルーフ」（タニタハウジングウェア）7.28kW |
| 耐震性能 | 等級3（許容応力度計算）＋制振ダンパー（プロジット） |
| その他 | 長期優良住宅 |
景色が一番よい南東側からの日射熱取得をし、カーテンをしたくないという要望に応え冷房期の日射遮熱はできないことを考えあえて南北に長い建物とした。リビングは小上がりを設け、日射の影響を受けない部分と受ける部分をつくった。
529㎡もある敷地のため、外構にかかるコストを考え建物は敷地中央に配置した。
エントランスは廃材大谷石と大谷石を染めた「大谷染石」のコラボレーション。
大谷石の廃材を再利用したアプローチと門柱。
バイクが趣味の旦那様。バイクの作業場にプロジェクターを設けてバイクレースなどを放映しながらバイクいじりを楽しんでいる。
許容応力度計算を社内で行い、耐震等級3を取得していることを評価します。もう1つのポイントは間取りです。間取りを見て、構造を考えて計画されていることが分かりました。構造はすべて間取りが関係しています。間取り次第で構造にかかるコストの削減にもつながります。加えて、本作品の特徴でもある大谷石の重さもしっかり見込んで設計されていたことも評価できました。デザインと構造の両方がバランスよく考えられた魅力的な作品です。
