断熱等級7(0.157W/㎡K)
東日本大震災や熊本地震を経験し、耐震性能の重要性を実感してきた。「安全に暮らせる家」であることを最優先に考え、構造設計者による許容応力度計算に基づく耐震等級3を標準とした。軽井沢は自然保護や景観への意識が高く、設計には細心の配慮が求められる。近年は大型建築の増加が懸念され、本計画では周辺の街並みに調和するよう、建物を敷地奥に配置し低層の構成とした。さらに軽井沢の豊かな日射を活かすべく、パッシブハウスメソッドに基づいて設計し、2025年2月にはパッシブハウス認定を取得。屋根には太陽光パネルシステムを設置。また余剰電力は売電し、社会のインフラにわずかながらも貢献している。
| 設計 | GLOBE ARCHITECTS |
|---|---|
| 施工 | 古澤建築 |
| 所在地 | 長野県北佐久郡軽井沢町 |
| 家族構成 | 夫婦+愛犬2匹(黒豆柴) |
| 敷地面積 | 622.67㎡(188.68坪) |
| 延床面積 | 132.19㎡(40.06坪)/1階108.18㎡(32.78坪)・2階24.01㎡(7.28坪) |
| 竣工年月 | 2023年7月 |
| 断熱性能(UA値) | 断熱等級7(0.157W/㎡K) |
|---|---|
| 日射取得(ηA値) | ー |
| 気密性能(C値) | 0.09㎠/㎡ |
| 屋根・天井 | 屋根付加断熱:ネオマフォーム150㎜+屋根充填断熱:GW=450㎜ |
| 外壁 | 付加断熱:ネオマフォーム150㎜+充填断熱:GW120㎜ |
| 床・基礎 | 基礎底盤下:XPS100/基礎立上:EPS15㎜/ 基礎内:XPS100㎜ |
| 窓 | 木製窓(スマートウイン)トリプルG(断熱Low-Eガラス ECLAZ) |
| 暖房設備 | 薪ストーブ(補助) |
| 冷房設備 | エアコン |
| 給湯設備 | エコキュート 370ℓ(コロナ) |
| 換気設備 | 「LWZ-270」顕熱タイプ(スティーベル) |
| 創エネ設備 | 太陽光発電6.4kW+蓄電池7.4kW(ニチコン) |
| 耐震性能 | 耐震等級3(許容応力度計算) |
| その他 | パッシブハウス認定取得済 |
軽井沢という寒冷地で、UA値0.157W/㎡K、C値0.09㎠/㎡という断熱・気密性能を実現し、札幌版次世代住宅基準プラチナ等級の基準をクリアしています。さらに蓄電池の設置や再エネルギーの活用など、地方での暮らしの万一の際を見越した備えも有意義だと感じました。建物も周辺環境になじむことを重視し、2階建てでありがながら高さを抑えた非常に好感がもてる設計になっています。寒冷地での新たな可能性を示す、極めて完成度の高い住まいです。