UA値=0.24W/㎡K C値=0.2c㎡/㎥ 一次エネルギー消費量=98.9GJ/戸・年
東京都の23区内に建つ住宅である。3方を隣地建物に囲まれた狭小地で、日射取得が期待できない敷地であった。唯一開放されている南側には既存不適格建築物と思われる高い建物があり、敷地条件をさらに不利なものとしている。そんな環境で目指したのは「都市型のエコハウス」で、多くの日射取得を期待できないこの住宅では、躯体強化型エコハウスをベースとしたパッシブデザインが採用されている。
これらの条件下でいかに外部に開くかが設計の課題だった。最終的には、適度に閉じられたプライベート空間と屋上、地下の開放感のバランスを取ることで着地した。各設備については、一般的なものを採用しているが、空調は多階層建物なのでダクト式冷暖房を設置して各居室に供給するかたちをとっている。また換気は第1種熱交換換気システムだが、ダクトの簡略化のため、エアコン本体にSAを供給して冷暖房と共に新鮮な空気を運んでいる。
躯体性能が良いことは、シンプルな設備で空気質が整えられることにつながる。そして、都市部らしい開放感を得るためにも必要な要素である。
施工 | 参創ハウテック |
---|---|
所在地 | 東京都文京区 |
家族構成 | 夫婦+子ども1人 |
構造 | 在来木造2階建 |
敷地面積 | 81.70㎡ |
延床面積 | 130.42㎡ |
UA値 | 0.24W/㎡K |
---|---|
ηA値 | 1.4(冷房期)、1.3(暖房期) |
C値 | 0.20c㎡/㎡ |
一次エネルギー消費量 | 98.9GJ/戸・年 |
地域区分 | 6 |
屋根・天井 | セルローズファイバー240㎜+XPS100㎜ |
外壁 | セルローズファイバー100㎜+ネオマフォーム100㎜ |
床・基礎 | 防蟻XPS50㎜ |
窓 | アルス木製防火窓 |
気密 | 外周構造用面材気密テープ張り |
その他 | ─ |
冷暖房 | アメニティエアコン4.0kw(ダイキン) |
給湯 | エコジョーズ(ノーリツ) |
換気 | 第一種熱交換換気システム(ローヤル電機) |
創エネなど | ─ |
都市型の狭小地では日射取得が課題になることは少なくありません。住宅が密集した周辺環境を紐解いて日射取得よりも断熱性能を狙い、UA値0.24W/㎡kを実現しています。南面には軒の対策が難しいという判断からか、外付けブラインドを採用しているのは現実的だと感じました。この対策は、ボックス型の外観にフィットするだけでなく、冬場のオーバーヒートも防げます。地下はコンクリート造、地上は木造で具現化するなど、都会の狭小地においてこれからの指針になる作品です。