施工:ツキデ工務店 左官:豊田工業所 構造:ビオス UA値:0.51W/㎡k ηA値:2.5 1次エネルギー消費量: 81.4GJ/年
奈良吉野と紀州の木材をふんだんに使い、伝統的な土壁に羊毛断熱材を充填し断熱性を高め、冬暖かく夏涼しい、結露で困らない家を目指した。さらに太陽熱給湯や太陽光発電を使ってゼロエネルギーハウスとしている。建て主の趣味であるスポーツ吹矢ができるように南側にパッシブエリア(集熱+蓄熱)を兼ねた吹矢レーン11・4mを設けた。床には、PCM(潜熱蓄熱材)を敷き込み、無垢フローリングの表面温度低下を防いでいる。
地域で培われてきた「家屋の姿」には、必ず意味がある。雨が多い地域、夏が暑い地域、雪が積もる地域、風が強い地域…その気候風土や慣習に合った造りを尊重し、地域性を読み取り、先人の知恵を受け継いでいく。こうした住文化を継承してこそ、日本の美しい住宅の姿といえるのではないだろうか。
設計 | トヨダヤスシ建築設計事務所 +伊藤吉郎 |
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施工 | ツキデ工務店 |
所在地 | 奈良県奈良市 |
家族構成 | 夫婦(60歳代) |
構造 | 木造軸組構法+木質ラーメン |
敷地面積 | 296.57㎡ |
建築面積 | 116.31㎡ |
延床面積 | 155.63㎡ |
完成年月所 | 2015年6月 |
UA値 | 0.55W/㎡・K (Q値1.91W/㎡・K) |
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η値 | 暖房期3.3、冷房期1.8 ※平成25年基準 ※詳細計算法で算出しています |
C値 | 2.3c㎡/㎡ |
一次エネルギー消費量 | 482 MJ/㎡・年(71.7GJ/年) ※平成25年基準 |
地域区分 | 5 |
屋根・天井 | フェノバボード120㎜ |
外壁 | 土壁背面:ウールブレス100㎜ 土壁以外:グラスウール24K85㎜ |
床・基礎 | フェノバボード45㎜ |
窓 | アルミ樹脂複合サッシA12Low-E、木製建具 |
気密 | 屋根・外壁ともに、気密パッキンを張ってから構造用面材を張ることで漏気を防いでいる |
その他 | 土壁の蓄熱性を利用。PCM(潜熱蓄熱材)を一部に敷設 |
冷暖房 | 暖房:太陽熱利用型温水式床暖房(ノーリツ) 冷房:ルームエアコン(ダイキン) |
給湯 | ガス潜熱回収型給湯温水暖房機、ソーラーシステム4㎡90L(ノーリツ) |
換気 | 壁付け式第三種換気(三菱電機) |
創エネなど | 太陽光発電7kW(ノーリツ) |
その他 | 土壁の蓄熱性利用、PCM利用 |
気密性能において不利な土壁を、あえてパッシブハウスに利用した旺盛なチャレンジ精神を評価します。加えて、ゼロエネルギーを達成しています。日本古来の伝統的な素材と、左官の伝統工法を駆使しつつ、性能面でも高い数値を得ました。
通常ならば気密性能・断熱性能を上げるために樹脂サッシなどの既製品を使わざるを得ないが、建具職人の木製建具を使用している点も良いでしょう。意匠面、性能面共に様々な工夫を凝らして、体に感じる快適性を追求している点が、建築家的であり、良き設計者だと言えます。