日本エコハウス大賞2019

優秀賞

カスタマイズできる家 山之内建築研究所

UA値=0.23W/㎡K C値=0.45c㎡/㎡ 一次エネルギー消費量=79.4GJ/戸・年

四季の変化が楽しめる緑地に向け、南東に大開口を設けた平屋住宅である。この住宅は、「住まい手が完成させる家」をコンセプトに、建売住宅でありながら、「未完成品住宅」として建てられた。小屋・母屋・カーポートの3棟で構成されており、小屋については、将来増床ができるように屋根と柱のみとし、可変性を重視。将来のライフスタイルの変化に対応できる家を目指した。
アイランド型のキッチンを中心にプランニングされており、天井には採光のためのハイサイドライトや造作のLED照明を設置し、光の移ろいを感じながら家事ができるようにした。キッチンに立つと、緑地に向けて設置した大開口が目に飛び込んできて、とても気持ちがよい。

DATA

施工 晃和住宅
所在地 北海道空知郡南幌町
家族構成 1~4人(想定)
構造 補強コンクリートブロック造平屋建
敷地面積 337.80㎡
延床面積 115.93㎡

省エネルギー性

UA値 0.23W/㎡K
ηA値 0.2(冷房期)、0.2(暖房期)
C値 0.45c㎡/㎡
一次エネルギー消費量 79.4GJ/戸・年
地域区分 2
屋根・天井 吹込み高性能グラスウール300㎜
外壁 押出発泡スチロールフォーム100㎜
床・基礎 基礎断熱:押出発泡スチロールフォーム100㎜+50㎜
土間下:押出発泡スチロールフォーム 50㎜
木製LOW-Eペアガラス、アルミ樹脂トリプルガラス
気密
その他
冷暖房 暖房:温水式床下暖房
冷房:なし
給湯 ガス潜熱回収型ボイラー
換気 ダクト式第3種換気
創エネなど
  • ファサードを見る。母屋の両隣に小屋とカーポートを接続させている。冬も活動的に暮らせるよう、母屋とカーポートを屋根つきの通路でつないでいる

  • ダイニングを見る。大開口のハイサイドライトから熱と光を取り込んでいる。床には、足ざわりのよいナラの無垢フローリングを採用

  • 断面図 S=1:60

  • 寝室の一角。天井に使用されている道産のトドマツは、枝が同じ高さに生えるため、節がステッチのように並ぶのが特徴

  • キッチンはオープンに。対面使用が可能で食洗機用電源・配管を用意している。家事コーナー併設

  • 平面図 S=1:120

審査員講評

北海道の特徴的な建築方法である補強コンクリートブロック造。コンクリートブロックは、構造材、蓄熱材、そして仕上げ材としても優れた素材ですが、ブロック造の家は減り、同時に職人自体も少なくなりました。しかし、あえてこの地域に根付いた技術を用いた点を評価します。象徴的な南向きのハイサイドライトは北国ならではのデザインです。薄暗くなりがちな北国の家を明るく照らすでしょう。夏の夜はここから冷気が入りブロックに蓄冷。夏場でもエアコンなしで快適に過ごせる住み心地のよさが伝わってきます。