日本エコハウス大賞

優秀賞

phs17main

木と樹の家@小日向

UA値=0.24W/㎡K C値=0.2c㎡/㎥ 一次エネルギー消費量=98.9GJ/戸・年

東京都の23区内に建つ住宅である。3方を隣地建物に囲まれた狭小地で、日射取得が期待できない敷地であった。唯一開放されている南側には既存不適格建築物と思われる高い建物があり、敷地条件をさらに不利なものとしている。そんな環境で目指したのは「都市型のエコハウス」で、多くの日射取得を期待できないこの住宅では、躯体強化型エコハウスをベースとしたパッシブデザインが採用されている。
これらの条件下でいかに外部に開くかが設計の課題だった。最終的には、適度に閉じられたプライベート空間と屋上、地下の開放感のバランスを取ることで着地した。各設備については、一般的なものを採用しているが、空調は多階層建物なのでダクト式冷暖房を設置して各居室に供給するかたちをとっている。また換気は第1種熱交換換気システムだが、ダクトの簡略化のため、エアコン本体にSAを供給して冷暖房と共に新鮮な空気を運んでいる。
躯体性能が良いことは、シンプルな設備で空気質が整えられることにつながる。そして、都市部らしい開放感を得るためにも必要な要素である。

DATA

所在地 東京都文京区
家族構成 夫婦+子ども1人
構造 在来木造2階建
敷地面積 81.70㎡
建築面積
延床面積 130.42㎡
設計
完成年月所

省エネルギー性

UA値 0.24W/㎡K
ηA値 1.4(冷房期)、1.3(暖房期)
C値 0.20c㎡/㎡
一次エネルギー消費量 98.9GJ/戸・年
地域区分 6
屋根・天井 セルローズファイバー240㎜+XPS100㎜
外壁 セルローズファイバー100㎜+ネオマフォーム100㎜
床・基礎 防蟻XPS50㎜
アルス木製防火窓
気密 外周構造用面材気密テープ張り
その他
冷暖房 アメニティエアコン4.0kw(ダイキン)
給湯 エコジョーズ(ノーリツ)
換気 第一種熱交換換気システム(ローヤル電機)
創エネなど
  • phs17-1

    都市部らしい開放感を目指す躯体強化型エコハウス

  • phs17-4

    地下のアトリエ空間。アプローチから直接出入りできるドライエリアと隣接しているので、作品の搬入出などもスムーズに行える

  • phs17-2

    エントランス。いずれは門柱やフェンスに緑が茂り、より雰囲気が出る

  • phs17-3

    1階と2階をつなぐ階段。スリット状にすることで、光と空気の動きを妨げないようにしている

  • z17-2_CS5

    断面図 S=1:120

  • Z17-3

    平面図 S=1:250

  • 03★20180922_Liv_fur3:2

    ファミリールームにはピアノを置いている。床に防音マットを施工し、防音性を高めた

  • phs17-6

    屋上。緑化システムを設置しており、外から建物を見上げた時に、これらの緑が目に入るように植栽している

  • phs17-5

    ドライエリアの階段。スリット状にすることで、光を妨げるのを防ぎ、地下空間に日差しを届けている

  • Z17-1

    断面図 S=1:120

  • h000_008

    ファサード。屋上にある緑が板張りの外装とマッチしている。2階の窓には外付けブラインド「ヴァレーマ」(オスモ&エーデル)を設置。窓から入る日差しを調整することができる

  • 04-2★20180922_MBR2_Fur3:2

    寝室の開口部を見る。日射を遮るために設置された外付けブラインドが、不快な景観も遮ってくれる

  • h028_138

    ドライエリア。アトリエとなっている部屋からは植栽の緑を眺めることができる

  • Z17-5

    外付けブラインド詳細図 S=1:10

  • phs17-1
  • phs17-4
  • phs17-2
  • phs17-3
  • z17-2_CS5
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  • 03★20180922_Liv_fur3:2
  • phs17-6
  • phs17-5
  • Z17-1
  • h000_008
  • 04-2★20180922_MBR2_Fur3:2
  • h028_138
  • Z17-5

審査員講評

都市型の狭小地では日射取得が課題になることは少なくありません。住宅が密集した周辺環境を紐解いて日射取得よりも断熱性能を狙い、UA値0.24W/㎡kを実現しています。南面には軒の対策が難しいという判断からか、外付けブラインドを採用しているのは現実的だと感じました。この対策は、ボックス型の外観にフィットするだけでなく、冬場のオーバーヒートも防げます。地下はコンクリート造、地上は木造で具現化するなど、都会の狭小地においてこれからの指針になる作品です。