施工:夏見工務店 構造:ストローグ UA値=0.51W/㎡k ηA値=1.2 一次エネルギー消費量/44.8GJ/年
80歳代の夫婦が暮らす終の住処。夫妻からは、次世代が安心して住み継げる住宅にしてほしいとの要望があった。同じ敷地内に建つ息子夫婦の家と、ちょうどよい距離を保ちながらつながりも持てる配置を検討し、同時に息子夫婦の家の日当りを損なわないよう建物高さにも配慮している。
敷地東側には畑が広がり、視線が遠くまで抜けるため、パッシブ設計では弱点となる東側に大きく窓を開けたプランとした。その代わり大きな庇を取り付けて、夏はテント生地を低い位置まで張り、低い日射を遮る。一方、庇は透明ポリカにして、冬には日射をたっぷり取得する。 また、将来の介護に備えてアプローチにはスロープをつくり、室内も車いすで生活しやすいように段差をなくしたシンプルなワンルームの間取りとなっている。
| 設計 | 吉岡昌一建築設計事務所 |
|---|---|
| 施工 | 夏見工務店 |
| 所在地 | 滋賀県米原市 |
| 家族構成 | 夫婦(80歳代) |
| 構造 | 木造軸組+門型ラーメン |
| 敷地面積 | 410.30㎡ |
| 建築面積 | 138.70㎡ |
| 延床面積 | 84.54㎡ |
| 完成年月所 | 2016年8月 |
| UA値 | 0.15 W/㎡K |
|---|---|
| η値 | 1.2 |
| C値 | 0.4c㎡/㎡ |
| 一次エネルギー消費量 | 43.1GJ/年 |
| 地域区分 | 5 |
| 屋根・天井 | セルロースファイバー 640㎜他 |
| 外壁 | スタイロフォーム50㎜+セルロースファイバー745㎜他 |
| 床・基礎 | セルロースファイバー、ネオマフォーム・EPS50㎜他 |
| 窓 | 木製アルミクラッドサッシ、PVC 熱貫流率 枠:0.7W/㎡K、0.8W/㎡K トリプルガラス:0.5W/㎡K (日射取得率52%) |
| 気密 | 可変透湿気密シート「ザバーン(R)BF」 |
| その他 | 日射遮蔽シート(遮光率90%) |
| 冷暖房 | エアコン(消費電力45W) |
| 給湯 | エコキュート |
| 換気 | 第一種換気「FOCUS200」(熱交換効率91%) |
| 創エネなど | 太陽光パネル5.04kW |
| その他 | 夏季の日射遮蔽シート |
屋根、壁、天井にセルロースフ ァイバーを吹き付けた、圧倒 的な断熱性能の高さに審査員全員が注 目しました。岐阜県米原市において、 屋根に600㎜、外壁に745㎜のセル ロースファイバーは過剰ではないかと いう意見もありました。しかし、80 代の住まい手が快適な環境のなかでア クティブな暮らしを送るために選択し たとも読み取れます。実際にどのよう な生活が送られているのか興味があり、 大賞候補に選出しました。今後は、植 栽での日射調整ができるとベターだと 思いますが、消費エネルギーが少ない 設計を評価します。