Q値=1.17W/ ㎡K C値/減圧=0.15c㎡/㎡ 一次エネルギー消費量/698MJ(㎡・年)
秋田県に建つ大曲の家は、熱的な見地に加え、さまざまな要素を南側開口部に期待した。十分な明るさを満たしつつ、遮熱や防犯など大開口部の不安要素を取り除き、居住性を追求。
高性能化の最大の目的は快適かどうかで、省エネルギーが第一義ではない。20 ㎡の大開口部は季節に応じてコントロールできる「装置」という概念に近い。オペレーター窓からは排熱が促され、外付けブラインドは視線と太陽熱を調整する。
室内から軒先まで続く天井は熱と一緒に空へ視線を伸ばすだろう。夜には室内が美しく見えるように光の分散とやわらかい質感を強調した。分厚い断熱材と輻射熱により温まった室内は、外の寒さとは別世界のように感じることができる。日本海側の冬の曇天は太陽熱利用には不向きな土地であるが、住まいの開放化には降り積もる雪で閉鎖的になった気持ちまで開く力があると信じている。
設計 | もるくす建築社 |
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施工 | もるくす建築社 |
所在地 | 秋田県大仙市大曲 |
家族構成 | 3人(夫婦+子供1人) |
構造 | 木造軸組 |
敷地面積 | 503.62 ㎡(152.34坪) |
建築面積 | 118.19 ㎡(35.75坪) |
延床面積 | 97.50 ㎡(29.49坪) |
完成年月所 | 2014年9月 |
床(基礎断熱) | EPS200㎜ |
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壁 | HGW320 ㎜ |
屋根 | HGW450 ㎜ |
窓 | カーテンウォール/ペア、PVC 窓/トリプル |
給湯 | 電気式ヒートポンプ給湯器エコキュート |
冷暖房 | 暖房:パネルヒーター/熱源:空気熱ヒートポンプ 冷房:エアコン |
換気 | 第一種換気、循環型レンジフード |
性能だけ考えている家ではなく、住む人の気持ちをくみ取った設計が審査のポイントになりました。設計とはそういうもので、「降り積もる雪で閉鎖的になった気持ちまで開く力がある」と、そこまで考えてチャレンジする姿勢が大事です。その挑戦がなければただの箱になってしまいますから。断熱性能も高く、なおかつデザインセンスもよく、意匠と性能のバランス感覚が応募作品のなかでも群を抜いていました。
高性能のサッシを採用し、性能担保があるからこそできた住まいです。デザインとエコが融合した、手本になる住まいになりました。